2006年12月31日

精神分析セミナーU

精神分析セミナー 2 (2)

 

副題は精神分析の治療機序。

主にメニンガーの精神分析技法論を題材にして先生方が講義をしている。メニンガーはアメリカの精神分析家でばりばりの自我心理学よりではないけれど、やはり自我心理学っぽい考え方をしていると思う。治療契約を重視している点はおそらく現代とあまり変わらないだろうけれど、メニンガーは治療的退行を治療機序として重要視している。私は前に松木先生の論文を読んだこともあり、退行は転移と表裏一体化しているので、転移の方を治療機序としては重要と思うけれど。しかし本書の中で先生方はメニンガーを題材にしているとはいえ、やはり当時の最新の考えを入れてきているので、転移の重要性もかなり語っている。そのような点は治療機序の変遷が垣間見えておもしろいかもしれない。

またメニンガーは治療における欲求不満が治療を進める原動力だとしているところが私としては目新しかった。あまり治療における原動力は何かということを考えていなかったけれど、いわれてみると確かにそうである。この点はあまり現在でも変わらないのではないか。治療者の失敗が意味あることとされているし。しかし、あくまでwantの欲求不満を維持するのであってneedの欲求不満は起こさないべきだろうと思う。おそらくこの点の見極めが実際の臨床ではかなり難しい点だろうと思うけれど。

さらに時代性もあるのだろうけれど、ビオンやウィニコットの名前が皆無と言っていいのが驚きである。おそらく対象関係論的にではあるけれども、まず治療機序といえばストレイチーの精神分析の治療作用の本質という論文が欠かせないだろうし、その後に先の二人の発展があって現在の治療機序の話になると思う。つまり転移をhere&nowで解釈することがなぜ効果的なのかということである。実はこの点は次の3巻にかなり描かれているように感じる。

 

あまり関係ないけど、やはり北山先生の書き方話し方は北山先生だという感じがします。

posted by hiro at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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