2007年03月13日

ぬるい眠り

江國香織の新しく出た短編集。

ぬるい眠り


一番の売りは「きらきらひかる」の十年後を描いた作品だと思うが、それ以外の作品もかなり楽しめる。本書の短編は以前にいろいろなものに掲載されたもので、そのため書かれた年代は一定でない。そのために江國さんの作風の変化もなんとなく感じることができる。
江國さんの小説の登場人物はしっかりと自立している。描かれている恋愛などで男と女が互いに相手を必要としている心理が描かれていても、独りの人間である上で必要としていると感じる。決して相手がいなければ独りになれないような人物ではないという印象を受ける。フェアという言葉がよく彼女の小説に出てくるように思うが、そのような言葉は独り対独りという対等な関係でなければ出てこないだろう。そのために私は彼女の小説を読むと人間は独りなのだと突きつけられるように感じ、胸に隙間が空き冷えてしゅくしゅくと縮み、そしてそれを耐えるように味わう。それが好きで私は彼女の作品を集めているのかもしれない。
posted by hiro at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。