2007年04月03日

精神療法家の仕事ー面接と面接者

久しぶりに読み直す。

精神療法家の仕事?面接と面接者


本書は実際に精神療法家がその仕事を始めるにあたって心がけることを述べている。面接の始まりから終結までの部と精神療法家としての研鑽と注意に関して書かれた部に分かれていると思う。
読み進めやすい本である。書かれていることは基本的なことであり最も重要なことであるが、著者はさらっと簡単に書き下している。この点は著者の経験がなせる技だろう。しかし、その分重要なことすらも簡単に飲み下してしまえて、少なくとも私は理解がついていかないように感じられた。よって逆に重要なことをしっかりと理解するために注意を要して読み進めた。
またとても誠実な本であると感じた。著者はけっして理論がこうであるから、というようには考えない。患者さんとの面接や自分の感情に素直である。時には自分の感情を素直に(しかし攻撃的でなく)吐露することが治療的に働くとし、これを自白や白状と述べている。治療者はあまり自己開示をすべきではないと書く書物は多いが、反対に素直に述べることを進める書物は少ない。また自分はわからないが理論がこういっているからそうする方が良いと思う、ということまで自白することを勧めているような箇所もある。これは精神療法家の限界や理論に頼る様などいろいろなことを包み隠さず伝えるものである。さらにこの自白・白状を患者側の体験の同型反転であるとし、転移/逆転移関係につなげるところは著者の独自の視点のように感じる。
研鑽や注意の部分は面接の部以上に著者の独自性が表れており、特に治療者のメンタルヘルスやライフサイクル論は目新しい。最近になってこれらのことが論じられている書物がみられるようになってきたと思うが、本書は比較的早めにこれらを述べている。治療者の仕事を続けていく上で先の点は参考にすることが多い。

かつての本書のブックレポートを読み返してみたが、印象的だったポイントが異なっていておもしろい。その当時に比べて私は成長しているだろうか。
posted by hiro at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/104479738

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。