2007年03月24日

精神科における予診・初診・初期治療

絶版になっていた名著が復活。

精神科における予診・初診・初期治療


一度図書館で借りて読んだのですが、先日書店で復刻されていたのをみつけ即買。前回はメモを取りつつ読んでいたけれども、自分の手元に実物がおけるのは心嬉しい。しかも前の版にちゃんと加筆をしていてDSMー4を念頭に入れつつ書いてある点がにくい。来年には齢80になるというのに笠原先生恐るべし。
内容は初心の精神科医が念頭に入れておくべきことであり、予診・初診・初期治療と3章立てになっている。この本の優れていると私が思う点は予診の項である。初回面接(初診)の始めての出会い性はとても重視され、初回面接に関して多く書かれた書物は世に溢れている。そのため、初回面接で心がけておくべき点はかなり知られているように思うが、予診について書かれた書物は少ないのではないか。予診と初診は異なるものであるという視点のもと、予診で心がける点が列挙されている。心理の人も医師の人も病院での最初の訓練としては予診が多いだろうから読むと助けになるのではないか。私なんかは最初に読んだ時、まずは家族に会うべきという文言に驚いた(もちろん初診では病人とされる人に最初に会う)。
初診と初期治療の項でも心がける点を箇条書きに列挙し、補足して説明するというスタイルを多くとっている。初診の項では、初診であるからやや診断に重きを置いているが患者に対する心配りも多く、目次の項目を読むだけでも参考になる。初期治療の項では、専門的精神療法(精神分析、認知行動療法etc.)を大精神療法とし、それに対する常識的な小精神療法において心がけることを列挙しているがこれもまた参考になる。というよりも精神科面接の本質が書かれているように思う。深層心理学的精神療法に興味があると患者の内面の深層にどうしても入りたくなってしまうが、深層への介入はできるだけ避けるという文言は胸に刻むべきである。神田橋の著作などにもあげられているが、優れた精神科医ほど深層への介入を控えている。おそらく精神科医として多く患者と接する中で、深い介入をせずとも休息や時間をおくだけで回復する病人の健康な面を強く信頼しているからだろう。心理屋はどうしても心理に突っ込みたくなるが、深い介入をせずとも治療は可能であることも知る必要がある(もしくは心理屋に回される患者は深い介入が必要だから回されているという側面を)。
また絶版になる前に買っておくことをお勧めします。
posted by hiro at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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